妊娠出産に関する悩みは多いですよね。
中でも働いている妊婦さんにとって多い悩みは、産休を取らずに退職するか・産休を取って出産に臨むのかの2択。
退職したほうがゆっくり出産準備や育児に向かえていいな…
でも自分のキャリアや子どもにかかる今後のお金も大事だし…
経済面を考えると退職しないほうがいいのかな…
こんなふうになかなか結論が出ないですよね。
ちなみに筆者は7年働いていた業界を産休を取らずに辞めました。
退職する前にデメリットについてあまり考えていなくて後悔したこともいくつかあるので紹介します。
今悩んでいるあなたは筆者のように後悔しないためにぜひ読んでみてください。
産休を取らずに退職して後悔した【実体験】
まずは産休を取らずに退職した筆者の実体験から、実際に後悔したことを3つ紹介します。
社会とのつながりがなくなった
子育ては想像以上に孤独で、退職してしまったことにより社会とのつながりがなくなったことに後悔を感じました。
産休や育休を取っていたら、1年後には復帰しよう!など社会に復帰できる安心感があるので、育児しているときの孤独感が薄れるはずです。
また、出産後は保健センターや児童館に行くと他のママとの交流はできましたが、産休育休中のママが多くて疎外感を感じることもありました。
収入がないことに悩んだ
産休を取らずに退職すると、当然ですが毎月の収入がゼロになるので、自分の服や美容代にお金を使うたび罪悪感がありました。
赤ちゃん用品を揃えるときも自分の好みのものが高かった場合、安いほうを選ぶべきか毎回悩みました。
産休や育休を取っていれば、赤ちゃん用品くらいはお金のことを気にせず好きなデザインのものを選べたのかなと後悔があります。
子どもの将来までにかかるお金も高額なので、世帯収入が多いに越したことはないですよね。
産休を取った場合と比べて金銭面で損に感じた
筆者の場合は産休を取った場合の試算をせずに退職を決めてしまったので、後々考えたらかなり損したのでは?という気持ちになりました。
筆者が産休を取らずに退職して後悔した点は経済面が多いので、あなたは先に計算して納得したうえで決断するのがおすすめです。
次の項目で産休を取らずに退職した場合に貰えないお金や、免除されない税金などについてまとめるのでチェックしてみてください。
産休を取らずに退職したらもらえないお金
妊娠出産で働けない時期には給付金や税金の免除がかなり助かるので、産休を取らずに退職すると減ってしまうお金について把握しておきましょう。
もらえなくなるお金や受けられない制度は以下の4つです。
- 出産手当金
- 育児休業給付金
- 社会保険料の免除
- 有給休暇
また、産休を取らずに退職してももらえるお金もあります。
- 出産育児一時金
当時月給27万(総支給)だった筆者のリアルな計算を例に、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
出産手当金がもらえない
産休を取らずに退職したら出産手当金が貰えないので、悩んでいる人はここも要チェックです。
- 換算期間:出産予定日より42日前~出産後56日間の98日間
- もらえる金額:直近1年間の標準報酬月額の3分の2支給
例えば月の総支給27万円なら、
出産手当金は609,560円になります。
※出産時期や申請日などにより変動あり。
育児休業給付金がもらえない
出産手当金だけでも結構な額ですが、退職した場合は育児休業給付金ももらえないので後悔しないように計算しておきましょう。
- 対象期間:産後8週~1年(保育園に入れない場合など最長2歳まで)
- もらえる金額:産後8週〜6か月間は賃金の67%、その後は賃金の50%支給
例えば月の総支給27万円なら、
育児休業給付金は1年間で1,638,900円になります。
※出産時期や申請日などにより変動あり。
社会保険料が免除されない
産休育休中の社会保険料が免除されるのも考えずに退職すると、後々後悔するかもしれません。
産休育休中は保険料を払わなくても、将来の年金は休業前の月給で計算されていくのでお得ですよね。
ちなみに退職後に夫の扶養に入る場合は保険料などは免除されますが、厚生年金の上乗せはなくなるので将来の年金は減ることになります。
例えば月の総支給27万円なら、
産休中は118,860円の社会保険料が免除。
育休中は396,200円の社会保険料が免除。
合計515,060円が免除になります。
※出産時期や申請日などにより変動あり。
有給休暇が付与されない
産休育休中は出勤扱いになるルールなので、復帰後には休業前と同じように有給休暇が付与されます。
そのため復帰後すぐに有給を使いたい場面が多くてもなんとか凌げそうで助かりますよね。
退職して新たに就職した場合は、原則として半年間は有給が使えないのがネックです。
一度退職して出産後に就職した場合は、いちばん保育園の呼び出しが多い時期に有給が使えないということになり後悔する人もいます。
産休を取らずに退職するか悩んでいる人は、この点も踏まえて決断すると後悔しなさそうですよね。
【例外】出産育児一時金はもらえる
出産育児一時金は産休取得の有無にかかわらず以下の条件を満たすと貰えます。
- もらえる条件:退職日まで被保険者期間が継続して1年以上(任意継続被保険者期間は除く)、資格喪失日から6ヵ月以内に出産
- もらえる金額:原則42万円(令和5年4月1日以降の出産は50万円)
ただし、これも知らないと後悔するポイントがあります。
退職後に国保に加入して6ヶ月以内に出産した場合は、前職の保険と国保のどちらから出産育児一時金を受け取るか選ぶことができます。
また、退職後に夫の扶養に入る場合は、夫側で「家族出産育児一時金」をもらうこともできます。
このとき「健康保険組合」に加入している会社の場合は、組合によって金額が加算される場合があるので、組合に出産育児一時金の金額を確認しましょう。
妻側の「出産育児一時金」と夫側の「家族出産育児一時金」、金額の高いほうを受け取るように事前に確認しないと損するので注意が必要です。
産休を取らずに退職するデメリット
ここまで金銭面で後悔しやすいポイントを紹介したので、それ以外にも後悔しやすいポイントやデメリットを紹介します。
- 自分のキャリアアップが難しくなる
- 社会復帰や再就職しづらい
- 夫になにかあったときに困る
自分のキャリアアップが難しくなる
産休や育休を取ったとしてもキャリアについては悩みますが、妊娠を機に退職した場合はもっとキャリアアップや昇給が難しくなります。
そのため自分のキャリアを大切にしたいという人は、産休育休を取って1年で復帰する場合が多いようです。
社会復帰や再就職がしづらい
そもそも保育園に受からないと外で働けないので、復帰ではなく再就職する場合は職探しが大変ですよね。
国家資格や優秀な経歴がある人は困らないですが、産後の職探しではなかなか正社員の面接に受からないというママも多いようです。
そのため出産後に正社員に戻りたい人は、産休を取って復帰するほうが安心感はありますね。
パートなど扶養内で働きながら子育てを両立させたい人は、産休を取らずに退職しても後悔しなさそうです。
産休を取らずに退職するメリット
産休を取らずに退職して後悔したことを書きましたが、もちろんメリットもあったので紹介します。
デメリットとメリットをそれぞれ知ってじっくり考えるのがおすすめです。
急いで保活しなくていい
産休と育休を取った後は職場への復帰で焦りますが、退職した場合は急がなくていいので保活(保育園探し)もゆっくりできるのがメリットです。
産休育休を取ったら1年後には保育園に申し込んで仕事復帰に向かわなければいけないけど、いざ赤ちゃんと過ごしてみたら1歳の子と離れたくないと言うママも多いです。
産休を取らずに退職した場合は再就職や保育園に入れる時期も自由なので、やっぱり3歳までは一緒にいたいなあと思ったときなども柔軟に決められるのがメリットです。
産休育休前後の気まずさがない
産休を取らずに退職する場合は、職場に妊娠を早めに伝える必要もないので周りに心配されたり何か言われたりする気まずさがないのがメリットです。
産休育休を取得する場合は、産休に入る前はなるべく早めに職場に伝えて引き継ぎなどを行うので、上司や同僚に体調を心配されたり気を使わせたりしますよね。
また、産休を取る場合は基本的に妊娠34週まで働くので、自宅安静などの指示も出やすい後期には急に休むことになってしまう場合もあります。
退職する場合は無理せず早めの時期を選べるので、急な休みなど気まずくて申し訳ない気持ちになるのを避けられるメリットがあります。
無理して働く赤ちゃんへの負担がない
産休を取らずに退職した場合は、有休消化などで出産前にのんびり過ごせるので通勤やハードワークで赤ちゃんに負担をかける心配がないのがメリットです。
また、早めに退職すればつわりがひどい時期の通勤のつらさや、勤務中のしんどさも避けられるので安心ですよね。
産休を取らずに退職して後悔しないためのポイント
もらえなくなるお金とデメリットを理解しておく
- もらえなくなるお金を計算しておく
- デメリットとメリットを把握しておく
まずはこの記事に書いた「産休を取らずに退職するともらえなくなるお金」と、退職のメリット・デメリットをしっかり理解しておきましょう。
特にデメリットを理解した上で検討し、納得のいく答えを出せると後悔する可能性を減らせます。
出産後の計画を立てておく
- 現在の雇用形態・職種・資格などを踏まえて考える
- 今後の働き方や再就職する際のイメージをしておく
産休を取らずに退職しても後悔しないために、退職後にどうしたいか考えて計画を立てておくと安心です。
経済面や精神面で退職後にずっと専業主婦でも大丈夫なら安心ですが、そうではない場合は出産後の計画を立てておきましょう。
すでに優秀な経歴や国家資格などを持っていて、すぐに再就職できそうな職種なら産後また働きたくなった時にすぐ採用されそうですよね。
経歴や資格にあまり自信がなく、再就職するとしたら自分のやりたい仕事に就けないかも…と感じる方は、現在の仕事で産休を取って復職する方が安心かもしれません。
また、今までと違う働き方についても考えておくと可能性を広げられます。
今までと違う働き方ができるか考えてみる
子どもが生まれると、保育園や幼稚園の送り迎えや呼び出し、小学生になった際の時短勤務なども考えながら働くようになります。
そのため妊娠中の今から、これまでと違う働き方を考えてみましょう。
例えば今までの職歴の知識やスキルを活かして在宅ワークはできないか、新たに資格をとったら複合でフリーランスとしてやっていけないかなどを考えます。
ランサーズやココナラなどのサイトを見たら、在宅でできる事務やライターやデザイナーなどの募集もあるので気になる方はチェックしてみてください。
仕事やお金のことは生活と切り離せないので、産休を取らずに退職するなら早めに産後のことを考えておくと安心です。
妊娠中の調子の良いときに、資格の勉強など今後の仕事に向けて可能性を広げるのもおすすめです。
産休取らずに退職で後悔しないためのまとめ
- 産休を取らずに退職するともらえなくなるお金を把握しておく
- 産休を取らずに退職するメリットデメリットを理解しておく
- 出産後の生活や仕事の計画を立てておく
- フリーランスや在宅ワーカーを目指すのもおすすめ